鮎料理の老舗 綾戸簗(あやどやな)は、群馬県渋川市に位置する、夏季限定営業の活鮎料理専門店です。大正時代から三代にわたって継承される「簗(やな)」の伝統を活かし、地元の利根川の清流で育った新鮮な鮎を、目の前で獲ってすぐに調理するという独特な営業スタイルが特徴です。

営業期間と基本情報
綾戸簗は通年営業ではなく、夏の時期に限定して営業しています。2025年の営業期間は、6月21日(土)から9月23日(火・祝)昼頃まで。営業時間は午前11時から午後7時までで、ラストオーダーは18時30分です。営業期間中は無休で運営されており、訪れるタイミングを選びやすいのも魅力の一つです。
この季節営業の形態は、鮎が最も美味しい旬の時期に合わせて料理を提供するためであり、鮮度の高い食材を最大限に活かす工夫がされています。

予約とあずまや(ガゼボ)の利用案内
綾戸簗は夏の観光シーズンには多くの来客で賑わうため、特に午後5時以降の時間帯は混雑が予想されます。そのため、事前に電話での予約をすることが推奨されています。なお、予約は電話のみで受け付けており、インターネット予約には対応していません。

また、より落ち着いた空間で食事を楽しみたい方には、「あずまや」と呼ばれる個室・別室の利用も可能です。こちらは完全予約制で、2時間3,000円の利用料がかかります。家族や友人との会食や特別な日のお祝いなどに適した空間となっています。
鮎料理の豊富なメニュー

綾戸簗の最大の魅力は、鮮度にこだわった多彩な鮎料理を味わえる点にあります。利根川で育った鮎は、香ばしい塩焼きから秘伝の味噌を使った田楽、揚げたてのフライ、鮎の刺身、酢の物、珍味である本ウルカまで、豊かなメニュー構成で提供されます。
以下の定食メニューが用意されています:

- 特定食(6,900円):塩焼き2尾、田楽1尾、フライ1尾、刺身1尾、本ウルカ、酢の物、お新香、鮎こく、ご飯
- 松定食(5,700円):塩焼き2尾、田楽1尾、フライ1尾、酢の物、お新香、鮎こく、ご飯
- 竹定食(4,500円):塩焼き2尾、田楽1尾、酢の物、お新香、鮎こく、ご飯
- 梅定食(3,700円):塩焼き2尾、酢の物、お新香、鮎こく、ご飯

単品料理も充実しており、以下のメニューが人気です:
- 塩焼き(2尾2,300円)
- 鮎田楽(2尾2,400円)
- 鮎フライ(2尾2,500円)
- 鮎刺身 活造り(1尾1,700円)
- 鮎ぶつ(2尾3,000円)
- 鮎本ウルカ(550円)

さらに、「鮎めし」は4人前からの提供となっており、事前予約が必要です。グループでの来店時にはぜひ検討したい一品です。

アクセス情報と支払いの注意点
綾戸簗は、車でのアクセスが便利です。最寄りのインターチェンジからの所要時間は以下の通りです:
- 渋川・伊香保ICより約20分
- 赤城ICより約15分
- 昭和ICより約10分
また、最寄り駅である岩本駅からは約2.1kmと徒歩圏内にあり、電車と徒歩を組み合わせてのアクセスも可能です。店舗には広い駐車場が整備されており、車での来店にも対応しています。
支払い方法については注意が必要です。クレジットカード、電子マネー、QRコード決済などのキャッシュレス決済には一切対応しておらず、現金のみでの支払いとなります。来店の際は現金を忘れずに持参しましょう。
自然と一体化した食体験の魅力
綾戸簗の最大の魅力は、目の前を流れる利根川の清流と簗の景色を眺めながら食事を楽しめる点です。川の音、緑の景観、新鮮な空気といった自然の要素が、鮎料理と相まって五感を刺激し、特別な食体験を演出してくれます。

また、大正時代から続く歴史と伝統、地元の食文化を活かした料理の数々は、ただの食事を超えた文化的な体験とも言えるでしょう。地域資源を活用した観光や食文化に興味を持つ大学生にとっても、フィールドワークとして訪れる価値のある場所です。
夏に訪れたい鮎料理の名所
夏の間だけ営業する綾戸簗は、その希少性、料理の質、自然との調和、そして伝統的な営業スタイルによって、訪れる人々に強い印象を残します。鮎の美味しさを追求したい方、自然に癒やされたい方、地域文化を体感したい方にとって、綾戸簗はまさに理想的な場所です。

まとめ
妻と二人で訪れた綾戸簗でいただいた鮎の塩焼きは忘れられない美味しさでした。炭火でじっくり焼かれた鮎は、皮はパリッと香ばしく、身は驚くほどふっくらとしていて、清流の恵みをそのまま閉じ込めたような深い味わいでした。一口食べるたびに、妻と『これぞ夏の風物詩だね』と顔を見合わせ、穏やかな時間が最高の思い出となりました。
